(資料)
典礼憲章
第6章 教会音楽
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全教会の音楽伝統は、他の諸芸術の表現にまさって、はかり知れない価値をもつ宝庫である。
それは特に聖歌が、ことばと結ばれて荘厳な典礼の一部をなし、必要欠くことのできない部分を成しているからである。
確かに、聖書も(注42)、聖なる諸教父も、諸教皇も、聖歌の唱和を賛辞をもって称揚した。
聖ピウス10世をはじめとして、最近の諸教皇も、礼拝における教会音楽の奉仕的役割を、力を入れて明らかにした。
したがって、教会音楽は、祈りをより美しく表現し、一致協調を促進し、また、聖なる儀式をより荘厳なものとして豊かにすることにより、典礼行為と固く結ばれるにつれて、いよいよ聖なるものとなるのである。
教会は、必要な特質を備えた真の芸術であれば、あらゆる形式を認め、これを神の礼拝に取り入れる。
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(宣教地の教会音楽)
ある地方、特に宣教地において、民族の宗教的、社会的生活に大きな重要性を持つ固有の音楽伝統がある場合、かれらの宗教心を形成するためにも、また礼拝をその天性に順応させるためにも、第39条と40条の精神に従って、この種の音楽に正当な評価と、ふさわしい位置が与えられなければならない。
そのため、宣教師の音楽教育にあたって、できる限り、宣教師がその民族の伝統的音楽を、学校においても、典礼行事においても促進することができるよう、熱心に配慮しなければならない。
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(オルガンとその他の楽器)
パイプオルガンは、その音色が、教会の祭式にすばらしい輝きを添え、心を神と天上のものへ高く揚げる伝統的楽器として、ラテン教会において大いに尊重されなければならない。
他の楽器は、それが聖なる用途に適しているか、あるいは適合することができ、しかも、聖堂の品位にふさわしく、真に信者の信仰生活に役立つものであれば、地域的権限保持者の判断と同意のもとに、第22条第2項、第57条、および第40条の諸規定によって、神の礼拝に取り入れることができる。
典礼音楽に関する指針
63
楽器の許可とその使用については、それぞれの国民の才能と伝統を考慮すべきである。
しかし一般の判断と慣用によって世俗曲音楽だけに適している楽器は、あらゆる典礼行為と信心業とから、まったく除外しなければならない(44)。
礼拝式のために許可されたすべての楽器の使用にあたっては、典礼行為の要請にかない、礼拝式の尊厳と信者の教化に役だつようにしなければならない。
64
歌を伴奏する楽器は声をささえ、参加を容易にし、会衆の一致を深めることができる。
しかし楽器の音が声をおおい、ことばが聞きとれないようであってはならない。
司祭または役務者がその任務上、声を高めて発音する箇所では、楽器を奏してはならない。
65
歌唱ミサにおいても読唱ミサにおいても、聖歌隊と会衆の歌を伴奏するため、オルガンならびに合法的に許可されているその他の楽器を使用することができる。
楽器の独奏は最初、すなわち司祭が祭壇に向かう前、奉納のとき、聖体拝領のとき、そしてミサの終わりに行なうことができる。 この規則は正しい適応を加えて、他の典礼行為にも適用できる。