「ミサ」という言葉にはどのような意味があるのですか?

「ミサ」という言葉はラテン語の missa に由来し、もともとは「解散」という意味だったと言われています。
それが時代とともに、ローマ・カトリック教会の礼拝式を意味するようになりました。
司式司祭が会衆に向かってラテン語で Ite missa est( イテ・ミサ・エスト )と言って礼拝式の終了を告げていたことから、広く使われるようになったと言われています。
このラテン語を直訳すると「礼拝式は終わります。行きなさい」となります。


「ミサ」は第二バチカン公会議の典礼刷新以後、「感謝の祭儀」と言われるようになりました。
「感謝の祭儀(ミサ)は豊かな内容のものですから、一つのことばでは表現し尽くすことはできません。
そのためか、歴史的に見るとミサについてたくさんの名称がありました。
ギリシア語では集会の儀(シナクシス)もその一つですが、この他にも感謝の祭儀(エウカリスチア)、賛美の祭儀(エウロギア)、奉献(アナフォラ)、ささげもの(プロスフォラ)、パンをさく式(クラーシス・トゥ・アルトゥ)などで、ラテン語でも奉仕(セルビチウム、ミニステリウム)、務め(オフィチウム、ムーヌス)、ささげもの(オブラチオ)、奉献(サクリフィチウム)、信仰宣言(コンテスタチオ)などいろいろの呼び方がありました」
(土屋吉正『ミサ-その意味と歴史-』8頁、あかし書房)。

「ミサ」とは、主日の礼拝式に集まった会衆が、ミサの前半の部分(ことばの典礼)でその日告げられる<神のことば>と、後半の部分(感謝の典礼)でキリストのからだを互いに分かち合うことによって、キリストと出会い力づけられて、司祭を通して世に遣わされる「派遣と励ましの言葉」なのです。
お隣の国、韓国の教会ではミサの最後に「感謝の祭儀を終わります。行きましょう。福音のよろこびを伝えるために」と宣言しているそうです。

またこの「ミサ」の語源を、『成人のキリスト教入信式』規範版から伺うこともできます。
典礼の改革に伴って入信式(洗礼・堅信・聖体の三秘跡)が刷新されました。
それによれば、この新しい入信式は、
(1)入門式(または入信志願式)、
(2)洗礼志願式、そして
(3)復活徹夜祭に洗礼を受ける、という段階を踏むことになっています。
もともと古代教会で実践されていた豊かな内容を、現代社会にこたえうる真の教会づくりに生かすために、復興したものです。
この刷新された規範版で特徴的なことは、入門式や洗礼志願式が行われた後、志願者が聖堂から退出することです。
求道者にしろ洗礼志願者にしろ、「感謝の典礼」に入る前に、司式司祭から「行きなさい」と呼びかけられ退出することになっています。
この呼びかけが「ミサ」missa の語源だとも言われています。

米国やカナダなど成人の洗礼志願者が多い国々では、入門式や志願式だけではなく、通常の主日ごとに、「ことばの典礼」が終わると、朗読福音書を捧持したリーダーに導かれて洗礼志願者たちは入門講座が行われる別室へ行列して行きます。
なお、東方教会(ギリシャ正教会)でも「退出」の伝統が守られており、司祭は「啓蒙者は出よ」という言葉で呼びかけるそうです。

Archdiocese of Osaka-Takamatsu
Committee on the Liturgy (Eastern)