なぜ祭壇にローソクを置くのですか?

ローソクの灯は私たちの喜びのしるしだからです。
ミサだけでなく、さまざまな典礼においてローソクを灯すように定められています。


ミサが、キリストの最後の晩餐を再現する、主の食卓のかたどりとしての側面を持つことはよく知られています。
祭壇には必ずテーブルクロスがかけられ、そしてローソクが置かれる。
食卓としてはごく自然なことですので、特に子供たちに説明するときによく言われます。
ただ、これではミサ以外の典礼の場合を説明しにくくなります。
ミサ典礼書の総則によれば、ローソク台は「すべての典礼行為の際に必要であ」り、それは「崇敬と祝いの喜びを表すため」であると説明されています。

また、ローソクは必ずしも祭壇上になければいけないとは限りません。
祭壇近くのローソク台であっても構わないし、和室の場合などは床の間や違い棚に置くことも許されています。
ただし祭壇からあまり遠くならない程度で。要は、今から祭壇を中心として行われる典礼に対して、私たちが特別な思いを込めて注目し、喜びを共にする、そのしるしとして輝く灯火を置くという事だと思います。

なお、歴史的事実として祭壇にローソクが置かれるようになったのは、十二世紀ごろの中世ヨーロッパにおいてのことであり、ラテン語を解しない一般信徒に対して、ミサの内容をなんとか理解させようとさまざまな工夫を凝らしたその一環だったということです。

(資料)

『ミサ典礼書の総則と典礼暦年の一般原則』(カトリック中央協議会1980年)

第四章 ミサの種々の形式
一 会衆の参加するミサ 準備
79
祭壇は少なくとも一枚の食卓布で覆われる。
祭壇上もしくは祭壇の近くに、少なくとも二本、あるいは四本もしくは六本、またはその教区の司教が司式する場合には七本、火をともしたろうそくを立てるものとする。
なお、祭壇上あるいは祭壇の近くに、十字架を置く。
ろうそく台と十字架は、入堂の行列の際に奉持することができる。
他の朗読書とは別冊の福音書は、入堂の行列に際して奉持されない場合、祭壇上に置くことができる。

第五章 感謝の祭儀をささげるための教会堂の配置と装飾
五 祭壇の装飾
269
ろうそく台は、崇敬と祝いの喜びを表すために、すべての典礼行為の際に必要であるが、それは、祭壇および司祭席周辺の構造を考慮して、全体の配置が適当なものとなるように、祭壇上、もしくは祭壇の近くに置くものとする。
なおそれは、信者が祭壇上で行われること、あるいは祭壇上に置かれるものを容易に見ることを妨げないようにする。

カトリック儀式書『ミサ以外のときの聖体拝領と聖体礼拝』(カトリック中央協議会1989年)

第一章 三 聖体拝領式の祭器、祭服ならびに拝領方法
19
 教会または聖堂で聖体拝領が行われる場合には、白い食卓布で覆われた祭壇の上にコルポラーレを敷き、崇敬と祝いと喜びを表すために二本のろうそくをつける。パテナを用いる。
 他の場所で行われる場合には適当な机を用意して食卓布で覆い、ろうそくをともす。

(参考書)

土屋吉正 著『ミサ その意味と歴史』(あかし書房1977年)
P169 参照