古くなって処分したいロザリオや十字架、マリア像などは、どうしたらよいのでしょうか。ゴミに出すのは何となく気が引けるのですが……。

ゴミとして処分しても差し支えありません。
ただし、他の用途に使われるのを避けるためにも、形が目立たないようにし、
外から見えないようにして捨てるなどの配慮をした方がいいでしょう。


信心用具や聖画像、さらには聖書などの霊的書物や冊子などは、そのもの自体が礼拝の対象ではなく、あくまでそれらの道具を介して神を礼拝するものですから、ゴミとして処分してもなんら差し支えはありません。
例えば、壊れたロザリオを捨てたとしても、その中に神の霊が入っていたわけでも、聖母マリアの魂が入っていたわけでもありません。
もちろん信仰を捨てたわけでもありませんから、信仰的には何も問題になることはないのです。

でも、折れて使えなくなった針に対してさえ、感謝して「針供養」をする日本においては、ゴミと一緒に捨てるのは心情的に抵抗を感じる方も多いことと思います。それからまた、他の用途に使われたりするのも避けたいということもあるでしょう。
ですから、処分に際しては外から見えないようにして工夫して捨てるとか、形があまり目立たない程度に分解して埋めるなどの配慮をすればよいと思います。教会や教会関係の施設を建設する際に、その土台部分に埋めたりすることもあるようですので、責任者に相談してみてもいいかもしれません。

因みに仏教では、例えば位牌を処分する際には「御魂抜き」「御性根抜き」をしてもらった上で、「焚き上げ」をしてもらうようです。
これはもともと、位牌そのものに魂が入っているという考え方からくる習慣です。
そんな仏教の方々に囲まれて暮らしている日本のカトリック信者の中には、「教会ではそういうことはしてくれないのか」といった気持ちがあるのかもしれません。
でも、カトリックで信心用具などを祝福する時は、その品物に「魂を入れ」ているわけではなく、それらを用いて祈る人、或いは身につける人に神様の恵みがありますようにと祈っているのです。用具そのものが聖なるものに変えられるのではありません。
ですから、壊れた信心用具などを集めて「供養する」ような習慣は、教会にはもともとないのです。